説明
普段は人懐っこくて冗談を言ったりニコニコ愛嬌満点の彼女なのだが、この日はいつもと少し違った。今日は一年に一度、年末に訪れる特別な日。お誘いは色々頂いてはいたが、僕は今日という日を彼女と一緒に過ごそうと決めていた。そんな僕の想いが彼女に伝わっていたのか、どこかそわそわといつもと様子が違う。ちょっぴりヒネくれたようなツンデレ感。小さい頃好きな異性に意地悪してしまう様な・・・まさにあれ。でも僕にとっては彼女のその心が手に取るように分かり可愛くて仕方なかった。だって僕がする事とおんなじだったから。少し寒い日だったけど公園に行き、始めての共同作業。こんなベタな展開いつ以来かな・・・。でもなんか嬉しくて楽しくて暖かくて、そして幸せな時間だった。僕をみて優しく微笑んでくれるあの表情。きっと彼女も同じ気持ちだったんだと思う。不思議だよね。お互いの想いが一緒だと色々言葉が要らなくなってしまう。なんにも言わなかったけど陽が傾き始めた頃、公園を後にした僕たちは初めて手を繋いで2人きりになれる場所に向かった。彼女とは色々あって遠回りしたけどようやくここまで来た。初めて彼女と繋がった日。本当は今日は帰ろうと思っていたけど、なんか帰って現実に戻ってしまう事、彼女と離れてしまう喪失感がどうしても受け入れられなくて一緒に泊まった。もー明日の仕事なんてどーでもいいや。こんな気分いつも味わっていたい。ガキ心、宝。って彼女の寝顔を見ながらそう思った。